夢の三角木馬

ما رأيت وما سمعت

(映画)「花とアリス殺人事件」(2.7点)

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この映画は元から映画館での上映が開始されてから気になってはいたんだけど、
何かと事情が重なり、とうとう劇場で観る事がなく上映が終わってしまったのだが、先日その映画が道満晴明によってコミカライズされたということで、僕は先に漫画の方を読んで、読み終わった直後TSUTAYAの新作DVDコーナーで借りてきて観たという訳です。

あらすじとしては一年前に殺人事件があったと生徒の間で噂になっているクラスに
有栖川徹子(アリス)が転校してきて、当時の事件を知っている引きこもりの荒井花(花)
と一緒に事件の真相を解明していく、といった話でしょうか。この映画を観るに至った経緯として漫画の面白さから誘発されて鑑賞したので、どうしても漫画版との比較になってしまうんだけど、やっぱり一番に気になったのが花とアリスのキャラクターの描き方かな。

アリスの性格は良くも悪くも(でもここでは悪い意味でかも)"中学生"然とした、
いわゆる世の中をちょっと小馬鹿にしたような、それでもって自己中心的な考えを持った女の子というのを主軸として、男勝りというんでしょうか、暴力的というか体育会系な部分を劇中の様々な部分で見せてきているんですね。その性格が物語上うまく働いていればいいんですが、約半分は周りに迷惑ばかりかけて、しかもそれが物語と関係ないただの迷惑な話という結果で終わってしまうからただアリスの性格にイライラさせられるだけ、って部分が多かったのが印象として残っています。

花も花で「ひきこもり」というキャラクター性がとても弱くて、1年4ヶ月も学校に行かず引きこもっていたという設定のはずなのに、普通に外を平気で出歩いているのも不思議だった。というのは、漫画版ではちゃんと「ひきこもり」という部分にちゃんと物語上の意味を持たせて、漫画版でのラストシーンでそれがうまく作用されていてとても良かったからなのかもしれません。だから映画終盤での花の心情吐露で花に感情移入するのが難しかったというのがあります。

漫画版では道満晴明のドライな雰囲気の中でもちゃんとストーリーに抑揚を付けてラストにドラマチックな展開を見せてくれていたのだが、元となっているハズの映画ではストーリーから脱線している箇所が沢山多く見られた上に全体的に偶然性の高い物凄くご都合的展開なお話になってしまったな~というのが残念。
漫画を読んでから期待値を高めに設定してしまった僕が悪いのかなぁ