夢の三角木馬

ما رأيت وما سمعت

今年の良かった旧譜10枚

 

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2019年も終わる~終わっちまう~
毎年1年って終わらないもんだと思い込みながら生活してるけど、
ちゃんと1年終わるし、ちゃんと冬が来るんだな(ストーブ付けた部屋で文章書きながら)

今年は新譜を無暗に追うより過去の名作に真正面から向き合う機会を作る事を
何となくテーマとして掲げていたので、今回は2018年以前の旧譜で良かった作品を
10枚挙げようかなーと思い立ち本記事に至る。
後日今年の新譜の方も(多分)書く

 

久しぶりに書くにしては中々カロリー高めの文章量だったんで
結構疲れた…普段から文章を書く癖付けなきゃなー
もしかしたら来年ブログ再開するかもしれん
ていうか今年から再開しておけばよかったかもー
今年は自分の人生史上稀にみる感情の起伏の多さだったから
その感情を整理するため/記録として残しておくために書いておけば…
Twitterの140字じゃあ伝わらない事がある経験を今年は沢山しました
もうブログにするには遅いんで忘れないように心に刻んでおこうと思います

 

話が逸れたけど、とりあえず良かった旧譜10枚選びました
よろしくどうぞ

 

 

 

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Derek Bailey/New Sights, Old Sounds(1979)
フリーインプロヴィゼーションの代表格、Derek Baileyの日本ライブ盤。
ギターひとつで織りなされる静謐で厳かな空気、
非ポップという存在でありながら演奏に流れや必然性を持たせている説得力は圧巻。
「何物でもない」という事が「何か」として形に表れ出す瞬間を目撃している様だ。

 

 

 

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・Roberto Musci & Giovanni Venosta/Messages & Portraits(1990)
イタリアの実験音楽家二人組の初期2作を1枚にコンパイルしたリイシュー盤。
この二人組はアフリカ、インド、東南アジアの民族音楽を研究していた経歴を持ち、
その影響がそのままこの作品に繋がっている。
エスニックなアンビエントを基盤にフリージャズ~電子ミニマルを
縦横無尽に横断していく自由なスタイルは、
数回聞いてだけでは掴みどころが無いが、一層興味を惹かせる内容である。

 

 

 

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 ・John Scofield/A Go Go(1998)
ジャズギタリストJohn ScofieldフュージョンバンドMedeski Martin & Woodと共に
制作された、John Scofieldにとっても代表作となる一枚。
MM&Wのオルガンが、アクが強いと言われているJohnのギターをマイルドにしているので、全体として非常に聴きやすく
イージーリスニング音楽としても聴けるだろう。
僕も部屋で取りあえずかける音楽としてよく聴いた。

 

 

 

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・Baroness/Blue Record(2009)
スラッジ/ストーナーメタルバンドBaronessの2枚目。
僕はメタルには明るくないが、初期のQueens of the Stone Ageをよりメタル寄りに
した所だろうか。しかし、メタル独特のテクニカルな部分はあまり感じず
どちらかと言えば大味な所がロックに通ずるものがあると思いながら
今年は愛聴していた。

 

 

 

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Miles Davis/Agharta(1975)
Miles Davisの代表的2枚組ライブ盤。
今年Milesの作品は何枚か聴いたが、これが群を抜いて素晴らしかった。
1972年の「On the Corner」から繋がる、ソリッドなギターサウンド等から成るファンク要素が、このアルバム全体の熱量を常にピークの状態で維持させている。
特に2枚目の1曲目「Interlude」が、最初の20秒で心を掴まれる程格好いい。
1時間40分間ずっと音の嵐が吹き荒れているような、一味違う"体感"を得られる音楽作品だ。

 

 

 

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・Stars of the Lid/The Tired Sounds Of(2001)
アンビエント音楽の中で必聴盤と名高いこの作品、
数多あるアンビエント作品の中でも、Aphex Twinの「Selected Ambient Works vol.2」
と比肩する程、音の抽象度が高く単一的である。
加えて弦楽器のクラシカルなサウンドが親しみや優しさを兼ね備えており、
聴いていると必ず眠りの世界に誘われる。
そのお陰で今年は寝る前のお供としてお世話になった。

 

 

 

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The Pillows/FLCL Original Sound Track No. 3(2005)
アニメ「フリクリ」の劇中歌で使われたThe Pillowsの楽曲集。
今年の正月に「フリクリ」を見て衝撃を受け、そこからこのアルバムに辿り着いた。
様々なレビューでも書かれている通り、ピロウズの入門盤としても名高い作品であり、
ピロウズはこの1枚から(もしくは「フリクリ」から)と言われている。
フリクリのEDでありこのアルバムのラスト曲である「Ride on shooting star」は、
一部の海外ファンからは"日本の「Smells Like Teen Spirit」"と称されているらしいが、
あながち間違いでもないのかもしれないとMVを見て思う。

 

 

 

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細野晴臣/Hosono House(1973)
言わずと知れた細野晴臣による初期の傑作。
今年はこの作品を再構築した「Hochono House」がリリースされたが、
この至高のソングライティングを下地にしているならば
駄作になることはまずないだろう。
またアレンジ力も素晴らしく、「薔薇と野獣」のようなフォークの枠に収まらない
ラウンジ的ポップソング等、"フォーク"の同系色でまとまっているようで、
その実バリエーションが豊かなサウンドで全体が構成されている。

 

 

 

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羅針盤/せいか(1998)
想い出波止場Boredomsのギタリストで知られる山本精一のバンド、羅針盤の4枚目。
サイケデリア、インプロヴィゼーションをそのままフォークに内包させており、
優しい歌声とメロディで、一聴すると表面上は穏やかに聴こえるが、
一つ一つの曲を注視していると途轍もなく奇妙な音楽である事がわかる。
何かを主張しているようで何を言っているのか分からない歌詞「ドライバー」、
アルペジオギターが浮遊感を増す10分近くある長尺曲「カラーズ」など、
どこかおかしな要素がそこかしこにありながら、バンドのフォークサウンドへの愛が
それを上手く隠して、奇妙でありながら非常に美しいアルバムとして成立している。

 

 

 

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・Killer Bong/Lost Tapes(2009)
日本の実験的ヒップホップグループThink Tankのフロントマン、Killer Bongによる
56曲80分弱のビートテープ集。正確にはビートテープ集というよりも、
あらゆるジャンルの音楽から断片を拾い上げてきたようなコラージュアート作品として
聴くのが正しいのかもしれない。
面白い音が沢山詰まっているので、何回聴いても楽しい作品になっている。