夢の三角木馬

ما رأيت وما سمعت

(漫画)「施川ユウキ / サナギさん」(8.0点)

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「日頃僕たちが何気なく使っているものや言葉を、もう一度考えて改めて使ってみる」がこの漫画の一つのテーマなんじゃないかな。物を見つめ直す、っていうのはありきたりなやり口だけど、この作品に関してはそれがちょっと他とは変わっているんだよね。ほとんど作者が夢の中で、はたまた散歩中に、はたまた食器を洗っている最中に浮かんだあらゆる妄想をこの漫画の中にダイレクトに落とし込んでいるように思えた。単なる意味のない言葉遊びだったり、妄想にしてもかなりこじ付けで無理のある設定を作り上げたり、やってることはハチャメチャなんだけどそこには万物に対する作者の一つ一つの考えでもあって、自分たちが気にも止めないような事象に物語を与えていくのって、かなりスゴいことじゃない?