夢の三角木馬

ما رأيت وما سمعت

(映画)「桐島、部活やめるってよ」(7.3点)

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軽い気持ちで観たらボコボコにされてしまった。この映画は桐島が部活を辞めた金曜日から火曜日までの5日間の中を描いた映画なんですけど、これはポスター詐欺といってもいいのではないのでしょぅか、恐らく主人公は神木隆之介演じる前田ではありません。橋本愛演じる東原でもありません。主人公はこの映画に登場するキャラクター、全員なのです。ネタバレになるのであまり話しませんが、この話は誰を中心にして話を進めても、全く問題ではありません。しかしそうはせず、それぞれのキャラクター全員をうまくストーリー進行にはめていた事がとてもうまく出来ていました。あとこれは散々批評サイトなどで見てきている「スクールカースト」という単語がこの映画の主題と捉えかちでしたが、僕はそうではないと感じました。これは沢山の見方をすることが出来る映画だと思います。例えば「高校生の恋愛」という単語一つとっても、「好きだから付き合う」のか「自分の力を誇示するために付き合う」のか、そういった様々な解釈をして見ることが出来ます。「部活」という単語をとっても、人によって考え方が違うわけですし、それによって他人との衝突が起こる。そうしてドラマが生まれてくる。この映画はどういった視点で見るかは、自分が高校時代どのような生活を送ってきたかによって変わってくると思います。そういった意味では、俗に言われている「リア充」と呼ばれている人たちよりかは、鬱屈していた生活を送っていた人たちのほうがこの映画を理解するのが早いかもしれませんね。