夢の三角木馬

ما رأيت وما سمعت

「Base Ball Bear / 二十九歳」(9.8点)

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久しぶりに自分はベボベが大好きでよかったと実感できたアルバムだった。思えば去年のシングル「perfect blue」や「ファンファーレがきこえる」を聴いて僕は「なんだよ、また十代の青春ロックかよ」と、初めてベボベに出会った中学の頃から成長した僕は、ベボベのその変わっていないような歌詞のスタンスに少し呆れのようなものがあった。しかし、今回アルバムが出されることを知った時に、前作「新呼吸」というものが僕にとってベボベの生まれ変わりの転換点だと思っていたので、新譜には期待している反面、シングル曲とアルバムのタイトルから推測して「また『17歳』の辺りの音楽に戻ってしまうのではないか」という懸念もあった。しかし、そのようなものは杞憂でしかなかった。ベボベは「新呼吸」から確実に成長していたのだ。僕が考えもしなかった所まで。特に後半の「光蘚」「魔王」カナリア」の3曲の流れは、成長したベボベにしかなせない曲たちだと思うし、しかもそれが終着点ではないベボベがこれからまだ成長できる確かな将来性も多分に含まれている。僕はその将来のベボベも見ていきたいと改めて感じた。